放課後、教室に一人残った私は、静かな空間の中でただひたすらに心の中で呟いていた。

「はぜろ、はぜろ」

それは、あの男子が私をからかうたびに、心の中で繰り返していた言葉だった。
毎日のように繰り返される嫌がらせ、言葉の暴力に、私はいつも耐えていた。でも、今日は違った。
心の中で「はぜろ」と呟くたびに、何かが破裂しそうな気がしていた。

そして、ついにその瞬間が来た。
私は窓の外を見ながら、呟いた。「はぜろ」と。
その瞬間、教室の外で何かが爆ぜる音が聞こえた
思わず窓から外を見ると、数十メートル先にいたいじめていた男子が、突然、空中で爆ぜているのが見えた。

私の心臓が激しく鼓動を打つ。
信じられなかった
あれが、まさか私の怒りが引き起こした現象だなんて。

次の日、学校は騒然としていた。
校内放送が流れ、あの爆発音についての説明がなされた。

「昨日の放課後、学校の近くで突然、激しい爆発音がしました。
爆発が起きた場所には、いくつかの車や物が破損しており、危険を感じた周辺の住民から通報がありました。
ただし、死亡した生徒は確認されていません。現在、警察が調査中です」

その言葉を聞いた瞬間、私は全身が凍りついた。
昨日、目の前で爆発したのは、確実にあの男子だった
でも、どうして「死亡した生徒は確認されていません」なんて言うんだ?
誰も彼の死に気づいていないのか?それとも、何かを隠しているのか?

その場にいなかった私には、何も確認できない。
ただ、私はあの爆発が自分の力が引き起こしたことを理解している

心の中で何度も問いかけた。
もし、これがバレたらどうなるんだろう?
もし、この能力を知られたら?もし私がどうしてこの力を持ったのか、他の誰かに気づかれたら?
そのすべてが、恐ろしい未来を予感させた。

それでも、私は何も言わずにその場を離れるしかなかった。
周りの生徒たちがザワザワと噂し合っているのを無視し、私は心の中で再び誓った。

これ以上、力を使わないようにしようと。
でも、心の奥底では、すぐにでも次に試してみたくて仕方がない自分がいる。

次の日、私はまた教室に向かう途中で立ち止まった。
今度こそ、この力を完全に封じ込めなければならない。
でも、その思いとは裏腹に、私の手のひらはまた少しずつ温かくなるのを感じていた。

「もし、また…?」

その言葉が、私の心を揺さぶった。